Interview
趣味からビジネスへの転換ークリエイティブの力で家族の愛情を時が経ても色褪せずに残す事業
樽本理子さん(2022ファイナリスト/オリジナル月齢フォトサービスべびしゃ 代表)
連載インタビュー『400文字の夢のつづき』。
2023年度もTOKYO STARTUP GATEWAY(TSG)出身起業家の皆さんに、取り組まれているプロジェクトや起業までのストーリー、そしてTSGにエントリーした当初のお話や、エントリーを考えている方人への応援のメッセージをお伺いしていきます。
ー簡単に自己紹介をお願いします。
早稲田大学政治経済学部を卒業後、新卒でベンチャー企業の営業職に就きました。しかしもっとこの事業を広めたい、起業に挑戦したい、という思いがあり入社後9ヶ月で退職を決意。
現在は「クリエイティブ」「家族」をキーワードに株式会社NOKOS(登記中)代表として家族の愛情をクリエイティブで残す活動をしています。
ー今取り組んでいるプロジェクト・事業を教えてください。
子供の写真の上に、親から子への愛情や今しか残せない子供の成長をイラストと文字で全て手描きし一枚絵の作品にする世界に一つだけのイラストフォトサービス『べびしゃ』を提供しています。
※べびしゃのイメージ作品
ープライベートはどんな人?(TSG先輩が普段どんな生活スタイルなのか、どんなものが好きなものを教えて欲しいです)
朝起きて2秒後には、パソコンを開き、寝る2秒前まで仕事をするみたいな生活をしています。(笑)
趣味が仕事みたいなものなので、もはや仕事だと思っておらず、ずっと、どうしたらお客様にこの世界を広げられるかを考え続けています。
また、家族との時間も人一倍大事にしていてどれだけ忙しくても、週に一回は会いに行くようにしています。
常に自分にとって一番大事なものは見失わないように、大切なものをきちんと大切にできる人間でありたいと意識しています。
ー今の事業をやりたいと思ったきっかけは?
私自身の原体験にあります。親や祖父母から大きな愛を受けて育ってきた私ですが、成人してから、自分の子供の頃の写真を見ても、その当時に親がどういう感情を持ってくれていたのか目で確かめられるものがないと感じました。
試しに親に「このとき、私にどういう言葉をかけてくれたのか」と聞いたら、「そんな昔のことは忘れちゃった」と言われたんですね。
そのとき、親の子どもに対する愛情ってとてつもなく尊いはずなのに、それが子供に100%伝わる形で残っていないことに「もったいない」と感じたんです。
そこで、写真の上に当時の気持ちを文字で、写真で切り取れなかった部分をイラストでそのまま残っていたら、いつまでも愛情を色褪せずに残せるのではないかと思ったのがきっかけでした。
※実際のお客様からの依頼されたもの
ー起業したいと思った時期、TSGには起業を見据えて参加した?
元々、近い将来に法人化をしたい、けどなかなか踏み切れないと思っていたこともあり、けじめをつけるためにも参加を決意しました。
エントリー当時は個人事業主として仕事をしていたのですが、何もやらなくても誰にも責められない状況が続いていました。だからこそ、TSGはプログラムになっているので、締切効果で強制力を持ちながら、マイルストーン的に進められるのがよかったです。
大好きなことの掛け合わせでできた趣味のような活動から法人向けサービスを含めたビジネス展開へ
ー最初のアイデアからプログラムを通じてどう進化・深化していきましたか?
「家族の愛情をクリエイティブを通じて形に残す」という事業の軸は、個人・法人ともに最初のアイデアから変わっていません。
ただ、事業をより持続可能なものにしていくために、従来自身が個人事業主として個人向けに提供をしていたところを、法人登記をし法人向けの展開もスタートさせることで、さらに事業を大きくしよう、というマインドになりました。
エントリーする前は、このビジネスが万人受けするのか、求められているのか、可能性があるのかわからなかったですし、自信もなかったのですが、TSGを通じて、この「べびしゃの作品やビジョンが1人でも多くの人に伝わることで、より豊かな世界が実現される」ということを心から信じて、法人・個人問わず広めていくという覚悟に変わりました。
ファイナリストとして、みんなの前で発表したことや周りからの評価が自分の自信につながっているし、今の頑張る源になっていると感じています。
※運営メンバーとべびしゃの作品
ーTSG終了後、どのように事業を進められましたか?
従来の個人向けのサービスに加え、幼児向けにサービスを展開されている企業さんや、保育施設・託児所、写真館などさまざまな企業さまとコラボもさせていただいており、着実にべびしゃのご利用者様を増やす取り組みをしています。
また、私も色々な方にお会いし直接ビジョンを伝えるようにすることで、べびしゃの世界観がより多くの人に伝わるよう、そして大好きな家族への愛情を時が経てもしっかりと残せる世界の実現に向けて奔走しております。
家族の愛情を時を経ても目で見える形に残していきたい
※樽本さん3世代、仲良しの写真
ー今後実現したい世界やビジョンを教えてください。
これまでは0~2才のお子様の親御さんをメインのターゲットにしていましたが、今後は家族の大事なライフイベントに寄り添う事業に拡大させていきたいと考えています。
創業者である私自身が「家族」と「クリエイティブ」が人一倍大好きということから始まっている事業ということもあり、繰り返しになりますが「家族の愛情を時が経ても色褪せずに形に残す」、そしてその作品が家族みんなの心の拠り所であれるようにというビジョンは変わらずに今後も突き進んでいきたいです。
ー10周年を迎えるTSG、そしてこれからの期待は?
私自身は人生の転機と言っていいほどTSGでの経験が今の糧になっていますし、「ちゃんとやれよ!」と喝を入れていただいたような気持ちです。また、同じようなフェーズで日々奮闘する起業同期が増えたのが良かったです。これで本当に良いのかと踏みとどまっている人、起業を志望している人はTSGを通じて必ず前進していただけるのではないかと思います。
人生の中での死ぬほど頑張った経験になったのはよかったですね。最終ピッチの前は、盛らずに100回はプレゼンの練習をしたり、寝ずにエントリーシートを書いたりしてました。その分最後、表彰されなかったのはとっても悔しかったですが凄くいい経験をさせてもらい、あの悔しさが強烈なバネになりました。
“起業家は孤独”とよく言われますが、孤独な中でもTSGはメンター的な存在として自身を底上げしてくれて伴走してくれました。
TSGという存在自体が大好きです!
ー同期との繋がりについて教えてください
いまでも、時々連絡を取り合っています。
物理的に連絡をしていなくても、SNSなどでみんなの活動を見かけると「私ももっと頑張らねば!」と思える、そんなメンタル面でのサポートが大きいです。
同じようにお子様向けのサービスの方とは特に、「将来絶対協業しようね!」って約束をしているので、果たせるように私も日々精進してまいります。
自分に自信をつける第一歩としてTSGを活用
※メンバーとの写真
ー最初の400文字 を書いた時のお気持ち&これからTSGにエントリーする方へ応援メッセージ
400文字を出したときは、どうせ通らないと思っていました。実をいうと、先輩起業家に勧められてエントリーしたので、自発的に出したわけではなかったです。
「何かのきっかけになるかもしれないし、ものはためし」とカジュアルな気持ちでエントリーしてみました。
選考を通過するたびに、いつしか「自分にも仲間にも絶対に負けたくない!絶対あの舞台に立つ!」と本気度が高まっていきました。
自分に自信をつける第一歩だと思って、少しでもアイディアがあれば、試しにやってみると…人生が変わるかもしれません!
ーTSGを最大限活用するには?(ぶっちゃけ、コンテストって起業に役に立ちますか?)
私の場合は、“TSGファイナリスト”の肩書が付いたのは大きいです。
色々な企業さんに取り合っていただきやすくなったり、色々な方が私を繋げてくれやすくなったのではないかと思います。
コンテストが起業や成功に役立つかは、「やるか、やらないか」で自分次第だと思っています。
TSGのファイナリストに残るのがゴールではなく、そこが新たなスタートの場です。
よいスタートダッシュを切るために、後悔のないように準備や計画を練っていました。
覚悟を決めてやり続けられる人が成功するので、よい意味で踏み台として活用するとよいと思っています。
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TSG2023の締切は、7/9(日)23:59です。
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新しい一歩を踏み出す皆さんの
エントリーをお待ちしています!
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関連URL
▷月齢フォトサービス「べびしゃ」公式サイト:https://babysha-nokos.myshopify.com/
▷月齢フォトサービス「べびしゃ」公式Instagram:https://www.instagram.com/babysha__official/
▷樽本理子さんInstagram:https://www.instagram.com/riko__nokos/
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[ PROFILE ]
樽本理子さん(2022ファイナリスト/オリジナル月齢フォトサービスべびしゃ 代表)
2021年に早稲田大学政治経済学部を卒業後、ベンチャーでの営業職、スタートアップでの広報などに従事。現在は「クリエイティブ」「家族」をキーワードに、「完全オリジナルイラストフォトサービスべびしゃ」を展開。家族の愛情を時を経ても色褪せずに残すために都内にて活動中。2023年8月に登記予定。
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