Interview
習い事専用シャトルで、子育て層の送迎課題改善 日本を世界一子育てしやすい国へ
豊田 洋平さん(2022最優秀賞/hab株式会社 代表取締役社長兼CEO)
連載インタビュー『400文字の夢のつづき』。
TOKYO STARTUP GATEWAY(TSG)出身起業家の皆さんに、取り組まれているプロジェクトや起業までのストーリー、そしてTSGにエントリーした当初のお話や、エントリーを考えている人への応援のメッセージをお伺いしています。
エントリーを検討されている方、そして、幅広く起業をお考えの皆さんのヒントになるはずです。
お子さんの送迎課題を解決することで、子育て層の社会進出支援や子供の体験格差是正に挑む。
ー簡単に自己紹介をお願いします。
Maasや自動運転の領域でアプリ開発を行ってきました。現在、東急株式会社に所属し、副業制度を活用してhab株式会社を設立して、サービス開発をしています。
ー今取り組んでいるプロジェクト・事業を教えてください。
共働きの親御さんなど向け、お子さんの習い事の送り迎え・買い物・食事の準備等で忙しく、正社員になれない方・自己実現ができない方のペインを解決する相乗り送迎アプリの開発を行っています。
具体的には、習い事に行く子たちが相乗りできるサービスを提供しています。送迎による親の疲労を軽減し、自己実現をサポートすることで、社会進出を支援していきたいと考えています。
※サービスイメージ
ープライベートはどんな人?(TSG先輩が普段どんな生活スタイルなのか、どんなものが好きなものを教えて欲しいです)
プライベートと言われると、最近は仕事ばかりしていますね。たまに友達と飲みに行ったり、サウナに行ったりしています。固定した趣味はないですが、新しいことをやるのが趣味。キャンプに行ったり、ジムに行ったりもしています。おいしいラーメン・トンカツを食べに行ったりしています。
ー今の事業をやりたいと思ったきっかけは何でしたか?
私自身が子どもの頃に、共働きの親が習い事の送迎でとても疲れている姿を見てきたことを思い出したのがきっかけでした。ユーザーヒアリングをする中でも、かつての自分の親と同じように送迎に対するペインを持っている家庭が数多くあるということが分かりました。
その課題をモビリティで解決することができるのではないか。自分自身のキャリアを踏まえて、それを事業にすることに取り組みたいと思いました。まわりに起業家がちらほらいて、起業をすすめられたこともあり、サラリーマンのキャリアでこのままいくのか、会社員としても新規事業畑にはいたけれど、自分で決定権のある事業をやっていきたいと思っていたというのも理由の一つです。
起業アイディアを探し続けている中で、自分のペインと社会のニーズが合致したところが「送迎」でした。
※送迎のルートや時刻表など
ー起業したいと思った時期、TSGには起業を見据えて参加しましたか?
起業アイデアが固まった段階でエントリーしました。
起業したいと思っていたので、起業同志・同期を作りたかったですね。同じスタートラインに立つ仲間がいる環境を作れました。
起業同期は悩みを相談しあえる貴重な存在
ー起業同期との繋がりにについてお聞かせください
起業同期は悩みの目線が一緒なので、相談事がスムーズ、壁打ちするときも共感できるのもよいところです。
ファイナリストの皆さんとは定期的にやり取りをしていて、2・3か月に一回程度会っています。お互いに悩みを相談して、関係する人を紹介したり。Facebookグループチャットで連絡をとりあっています。
ー最初のアイデアからプログラムでどう進化・深化していきましたか?
アイデアが深まるという意味では、サービスを開発していた時の、メンターからの指摘がありがたかったです。先輩起業家や親御さん独自の目線で、お客様に対する安心安全機能について、特に停留所での配慮など、サービス内容に反映できました。
ーTSG終了後、どのように事業を進められましたか?
横浜市スタートアップ社会実装推進事業2022に採択され、2023年3月1日~15日実証実験を実施しました。MVPローンチを経て、さらなるサービス向上を進めています。
※横浜市にて行われた実証実験の様子
ー今後実現したい世界やビジョンを教えてください。
子育てに関わる様々なペインを解決して、日本を世界一子育てしやすい国にしていくことが我々のミッションです。そのために、多様なステークホルダーと連携しながら、まずは子供の移動課題解決のため、全力疾走したいと思います。
ー今年10周年のTSG、これからの期待は?
次のピッチ大会を企画してもらえたら嬉しいですね。賞金というよりも投資を取りに行くピッチ大会のイメージ。投資家ネットワークは一度に作れるものではないし他のピッチ大会もありますが、TSGさんならではのピッチ大会をやってもらえたら嬉しいと思います。
例えば、東京都はグローバルベンチャーを作りたいという想いがあると思うので、海外投資家とのパイプなどを作ってもらえたらありがたいです。ゼロ→イチの支援は、今のTSGがしているので、次のフェーズの支援もあるとありがたいです。
ー最初の400文字 を書いた時のお気持ちは?
あまり深く考えていなかったですね(笑)
アクセラレーションプログラムやビジコンに出しまくる必要があると思っていました。
どれか一つにすがるのはよくないので、とにかくアクションしまくった一つでした。
最初、TSGを知ったのが4・5年前。中村翼さんがファイナリストに残った頃、ファイナリストのトークセッションが渋谷で開催されていて、そこにふらっと立ち寄りました。
その時、自分もアイディアを見つけたら応募してみようと思っていたので、5年越しに、思い出してTSGにエントリーしました。あのイベントがなかったら応募していなかったです。
自分と向き合い、お客様のペインと向き合い続け、改善をしながら価値ある事業を作り出す
ーこれからTSGにエントリーする方への応援メッセージをお願いします
自分がやりたいことももちろん大事だけれど、お客様が価値を感じてくれるものを提供することが必要です。自分と向き合い続けることと、お客様の声を丁寧に聞くことで価値のある事業になるのではないかと思います。
自分が評価されたのは社会的な価値、ニーズがあると評価されたからこそ。ニーズがないと事業にならないので、ペインと向き合うことが必要だと考えています。
TSGは自分のアイデアを人に知ってもらったり、フィードバックをもらえるすごく良い場。自分のアイデアについて、まわりに聞ける機会ってあまりないですし、普段会っている友達が適切なフィードバックができるわけではない。
その点で、起業同期の人は、自分も起業したいと思っているのでよいフィードバックをもらえます。お客様に聞くのが一番いいけれど、お客様に聞いたうえで、更に起業同期にフィードバックをもらえるのが良い。その環境が一番良かったです。
400文字なので、さっと気楽に応募できるし、選考に通ったら嬉しいし、自信にもなる。自分も覚悟しないと起業は続かないので、TSGを通して応援してもらう中で徐々に覚悟ができていきました。1次選考を通るだけでも大きな自信になりました。
アイデアがある人は絶対に出した方が良いし、アイデアがなくてもよいと思います。なんとなく書いて1次選考に通っちゃった、でもいいと思います。
自分の内なるものを絶やさないために参加したという人もいましたし、締切30分前に見つけたという人も、色々な人がいました。自分が何か事を起こしてみたいと思う人であれば、1回出してみたらいいと思いますよ!
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TSG2023の締切は、7/9(日)23:59です。
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新しい一歩を踏み出す皆さんの
エントリーをお待ちしています!
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関連URL
過去のTSGの様子はこちら

[ PROFILE ]
豊田 洋平さん(2022最優秀賞/hab株式会社 代表取締役社長兼CEO)
大手公共交通事業会社でモビリティのDX業務に従事。こどもだけが乗車可能な「子供専用相乗りタクシーアプリ」を提供し子育て層の送迎課題を解決することで、子育て層の社会進出支援や子供の体験格差是正に挑む。
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